とくに旬の時期になると、スーパーに牡蠣がずらーっと並びますね。
ふだんは買わなくても、値引きされてるとついつい買いたくなります。
あれは忘れもしない今年の1月。
うれしげにスーパーで半額になっていた生食用の生牡蠣を買い、生死をさまよいながら一晩を過ごしました。
その日以来、今年は牡蠣を食べたことがありません。
怖くて食べられないのです (-_-;)
「生食用」= 100%生で食べても安全
・・と思ってませんか?
私すこやんはそう思っていたのですが、実は違うことを、身をもって知りました。
菌やウイルスのついた牡蠣にあたって、地獄の夜を過ごしたくなければ、悪いことは言いません。
スーパーで買った生食用の牡蠣は、「生食用」と書かれていても加熱して食べましょう。
それか「加熱用」を買って加熱しましょう。
この記事は、私と同じように、「生食用」と書いていれば100%大丈夫、だと思って食べている人に向けて書いていきます。
スーパーの生牡蠣であたって地獄の苦しみ【100%安全ではない!】
牡蠣にあたると、どのくらい苦しいか
私の場合、症状が現れたのは牡蠣を食べて5~6時間後くらい。
たしか夕方5時頃に牡蠣を食べて、夜10時すぎに異変が起きました。
急に気分が悪くなり、「え? なんか吐きそうかも」と思ってトイレに駆け込みました。
今まで牡蠣にあたった経験はありません。
また「生食用」と書かれた牡蠣は生で食べても100%大丈夫と思いこんでいたので、最初は「お酒を飲み過ぎたのかな」と思いました。
でも、しばらくたっても吐き気は弱まることなく、むしろだんだん強くなっていき、嘔吐下痢のように上からも下からも・・という状態が続きました。
思い当たることは1つです。
「これが世間で言う、牡蠣にあたったってやつだ・・!!」
でも最初は、嘔吐下痢と同じ症状でした。
ただの嘔吐下痢なら、何度かなったことがあります。
そんな時、私はいつも病院には行かず、家でトイレに行きまくって治すタイプです。
なのでその日も、数時間ほど菌を出しきってしまえば、嘔吐下痢の時のように、そのうち治るだろうと、たかをくくっていました。
そしてもう夜中だったので、「寝る→トイレに行く」を繰り返しつつ、布団で横になってました。
でも数時間してもトイレに行く回数が減らず、だんだん不安になり始めた頃、牡蠣にあたることと、ただの嘔吐下痢とでは、ツラさの度合いが違うことを思い知りました。
短時間に激しく排出するので、体が疲れきっていたのはもちろんのこと、さらに悪いことに、経験したことがないほど体が冷たくなってきました。
1月だったので、寒いのは当然です。
でも気温の寒さではなく、体の中から冷えてくる感じでした。
その日、頻繁にトイレに行くので、一晩中エアコンをつけっぱなしでした。
本来なら寒くない状態です。
布団も厚めにしっかりかぶっていました。
それでも寒すぎて、体が勝手にガタガタと震えるのです。
もし「死人」の冷たさを生きながら感じるとしたら、あんな感じかもしれません。
自分の体が、あり得ないほど冷たいのです。
エアコンと布団だけでは凍死しそうだったので、カーボンヒーターもつけました。
普段なら、ヒーターにあたりながら寝ると暑すぎて脱水症状みたいになるのですが、この日ばかりはその熱が生命線という感じでした。
そうやって何とか生きながらえ、朝が近づく頃になってやっとトイレに行く回数が減り、それから次第にラクになりました。
そして朝には落ちついてました。
その朝、冷静になってから思いました。
「牡蠣にあたったときは、病院に行かないといけない。
行かないとマジで死ぬかもしれない」と。
嘔吐や下痢が激しいときは、水分補給をしないといけませんよね。
でも苦しさがピークの時は、それが分かっていても、少しでも何か飲んだら吐きそうで何も口にできませんでした。
それに、声を出すことさえ億劫なくらい体力を失ってました。
もうフラッフラです。
とくに一人暮らしの人は、弱ってから何もできなくて困るより、早めに病院に行って点滴してもらったりしたほうがいいと思います m(__)m
病院ぎらいでも、牡蠣にあたったら病院へ行こう~
牡蠣についてるかもしれない菌・ウイルス
牡蠣につきやすい主な菌・ウイルスは以下のようなものです。
[細菌]
・腸炎ビブリオ
・貝毒
[ウイルス]
・ノロウイルス
それぞれ見ていきましょう。
腸炎ビブリオ
・潜伏期間:4〜96時間
・原因となる主な食品:魚介類
・主な症状:激しい下痢、腹痛など。下痢に血が混じることも
・とくに夏場に繁殖しやすい
・加熱により死滅する
(参考:農林水産省HP「腸炎ビブリオ」)
貝毒
・潜伏期間:種類によって潜伏期間も症状もさまざま
・原因となる主な食品:二枚貝
・主な症状:日本では、麻痺性貝毒(手足のしびれや頭痛などの症状を起こす)や、下痢性貝毒(嘔吐や下痢の症状を起こす)が知られる
・加熱しても生き残る
(参考:農林水産省HP「貝毒」・「貝毒の種類」)
私のお腹に入ったのは「ノロウイルス」だと思ってたけど、潜伏期間からしたら「腸炎ビブリオ」かも? それか「貝毒」かなぁ。
どれにしても、とにかくツラかった~
「生食用」と「加熱用」の牡蠣は何が違う?
スーパーなどで売っている牡蠣の表示を見ると「生食用」と「加熱用」がありますが、どう違うのかご存知でしょうか。
答えは、どの海域で採ったかによる違いです。
鮮度とは、まったく関係ありません。
「生食用」
保健所が指定した海域(主に沖合いの、ウィルスや細菌を取りこむ可能性の低い水質のいい海域)で採れた牡蠣。
さらに水揚げ後に、減菌洗浄も行われます。
「加熱用」
保健所の指定海域以外(主に沿岸などの、生活排水などが混ざる海域)で採れた牡蠣。
牡蠣で当たる確率
どんな状態の牡蠣か、また食べる人の抵抗力などによっても変わってくるので、一概には言えません。
一生あたらない人もいるし、何度もあたる人もいます。
なるべく牡蠣にあたる確率を減らす対策としては、
生で食べるなら信頼できる店で食べるとか、
加熱するなら十二分に火を通すとか、ですね。
ただ、「生食用」牡蠣については、ノロウイルスの完全除去は物理的に難しいようなので、どんなに信頼できる有名店の牡蠣でも、100%あたらないとは断言しきれないでしょう。
また、「加熱用」についても、十分に火を通すと大抵の菌やウイルスは死滅しますが、先に書いたように「貝毒」など熱に強いものもあります。
つまり、「たぶん大丈夫」だけど「運が悪いとあたることもある」、ちょっとリスキーな食べ物くらいに思っていたほうがよさそうです。
なので、抵抗力の低い、子供や老人や妊婦さんなどは、あんまり食べないほうがいいかもしれません。
ちなみに毎回あたる人は、牡蠣がどうこうでなく「牡蠣アレルギー」なので、牡蠣を食べるのは諦めましょう。
牡蠣をできるだけ安全に食べるための対策&まとめ
加熱
「加熱用」の牡蠣は、十二分に加熱しましょう。
「腸炎ビブリオ」や「ノロウィルス」は、加熱によって死滅します。
【加熱時間の目安】
中心部が90℃になってから、90秒間以上
(参考:農林水産省のHP)
※だだし「貝毒」は加熱しても死滅しません。
加熱し始めてから90秒じゃなくて、中心が90℃になってから90秒だよ。
揚げ物の時とか、早く取り出しすぎないようにね!
体調不良のときは食べない
免疫力が落ちている時は、牡蠣にあたる可能性が上がります。
風邪ぎみなど体調不良のときは、加熱している牡蠣でも、念のため食べないほうがいいでしょう。
まとめ
・「生食用」の牡蠣でも、あたることもある
・十分に加熱しても「貝毒」などがいたら、あたることもある
・「100%安全な牡蠣など存在しない」、「普通の食品よりもリスクがある食べ物」と心得て、自己責任で食べよう
・なるべく、信頼できるお店で食べよう
・ふつうはあたらないけど、宝クジで高額当選したり交通事故に遭うよりは、高い確率であたるかもしれないと思っておこう
・体調不良などで抵抗力が落ちている時は、加熱してても食べないほうがいい
・万一 牡蠣にあたってしまったら、自宅療養でなく病院へ行こう
以上です。
今回、初めて牡蠣にあたったので、調べたことの覚え書きとして、また注意喚起のために、この記事を書きました。
でもでも、やっぱり、牡蠣って美味しいですよね!!
一応リスクがあるということは知っておいてほしいのですが、旅行に行ったときや外食したときなどは、あまり心配しすぎないで、楽しんでほしいと思います。
では、今日はこのへんで。